結婚が決まったら結納を執り行うという風習が日本にありますが、近年では結納は行わずに両家の食事会のみというパターンも増えています。
それでも日本の伝統を受け継ぎたいという気持ちを持ったカップルもいるのです!
しかし「結納ってどんな事をするの?」と疑問に思う方もいると思うので、詳しく解説するので最後までご覧ください。
結納とは?
まず初めに結納とは、漢字の通り[結ぶ・納める]という意味で新郎新婦本人達だけではなく、両家、親族も一つに結び納まるという事です。
そしてお互いにお祝いの品々を交換する儀式で、関東式・関西式といった地域によって方法が違うので、次に解説していくので目を通しましょう。
関東式の結納について〜準備する物などご紹介〜
関東式の結納とは関東地方を中心とした東日本で行われている結納スタイルです。
具体的に準備する物や流れを解説します。
結納品の贈り方
関東式では男性側と女性側の双方で結納品を贈り合います。
結納品の品目
関東式の結納品の品目は下記の通りです。
品目の意味を順番にご紹介します。
- 家内喜多留(やなぎだる)
- 末広(すえひろ)
- 友白髪(ともしらが)
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留女(するめ)
- 勝男節(かつおぶし)
- 金宝包(きんぽうづつみ)・御帯料(おんおびりょう)
- 長熨斗(ながのし)
- 目録(もくろく)
家内喜多留(やなぎだる)
家内喜多留は柳樽とも書きますが、昔はお酒を持参していましたが、今では食事代・お酒代としてのお金を包みます。
末広(すえひろ)
末広は白い扇子の事です。扇子の形が末には広がって繁栄を極めるという意味があり縁起が良い物とされてきたので、純白な扇子が使用されるようになりました。
友白髪(ともしらが)
白い麻紐や麻糸で、共に白髪になるまで一緒に生きるという長寿の願いと麻のように強い絆で結ばれる願いが込められています。
子生婦(こんぶ)
昆布は強力な繁殖力がある事から、子宝に恵まれますようにという思いで結納品に使われています。
寿留女(するめ)
スルメは長期保存ができる事から末永く幸せが続くという意味や足が多いスルメは縁起が良いとされてきていました。
結納を頂いた後は親戚や近所の方に披露して食べ物はお裾分けする風習があります。
勝男節(かつおぶし)
鰹節の事で、鰹節は古くから武家の保存食や非常食として常備されていました。
出陣の時には武運長久の縁起物として扱われていた為、結納品に使用されるようになりました。
金宝包(きんぽうづつみ)・御帯料(おんおびりょう)
結納金の事です。
長熨斗(ながのし)
長熨斗は簡潔に言うとあわびを伸ばした物ですが、あわびを熨して乾燥させた保存食の事です。
昔も今もあわびは高価でお祝いには持参する風習が続いてます。
あわび自体が不老長寿の意味があっておめでたい品ですよ。
目録
結納品のリストの事です。
結納品の飾り方
関東式の結納品の飾り方は一つの台に結納品をまとめて乗せます。
見た目はスッキリとコンパクトになるので、儀式の最中も気にならなくて良いでしょう。
結納返し
結納返しとは、結納を受け取った側が相手側へお礼の意味を込めてお返しの品を贈ります。
関東式では男性側から女性側へ結納金を納め、女性側から結納金の半額程度のお金や品物を受け取ります。
関西式の結納について〜準備する物などご紹介〜
関西式の結納とは関西地方を中心とした西日本で行われている結納スタイルです。
少し関東式と違う事があるので、比較してみましょう。
結納品の贈り方
関西式では男性側のみが結納品を準備し、女性側は結納品の受領書である受書のみを男性側に渡します。
結納品の品目
関西式の結納品の品目は下記の通りです。
品目の意味を順番にご紹介します。
- 家内喜多留(やなぎだる)・酒料
- 松魚料(まつうおりょう・しょうぎょりょう)
- 寿恵廣・末広(すえひろ)
- 高砂(たかさご)
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留女(するめ)
- 小袖料(こそでりょう)
- 熨斗(のし)
- 結美和(ゆびわ)
家内喜多留(やなぎだる)・酒料
関東式と同じでお酒代の事です。
松魚料(まつうおりょう・しょうぎょりょう)
肴料の意味で食事代の事です。
昔は魚を贈っていたのでこの呼び名であり、梅飾りの下に置く場合が多いです。
寿恵廣・末広(すえひろ)
関東式と同じで白い扇子の事です。
高砂(たかさご)
白髪の尉(じょう)と姥(うば)の人形で、共に白髪になるまで夫婦仲良くという願いが込められています。
結納の掛け軸にこの図柄がふさわしいでしょう。
子生婦(こんぶ)
関東式の子生婦と同じで昆布の事です。
寿留女(するめ)
関東式のスルメと同じ意味ですが、噛めば噛むほど味が出る事から味のある仲が良い夫婦になるようにという願いも込められています。
小袖料(こそでりょう)
結納金の事で、昔は着物の小袖を贈っていた為小袖料といわれるようになりました。
昔は小袖のお礼に袴を返していたので、結納返しに包むお金を袴料と言い、松飾りの下に置きます。
熨斗(のし)
関東式と同じく、あわびを伸ばした物です。
結美和(ゆびわ)
婚約指輪の当て字で、結も美も和も縁起が良い意味を持つ為この字が使われています。
結納品の飾り方
関西式の結納品の飾り方は結納品を一つずつ台に乗せるのです。
その為儀式の場が豪華な雰囲気になるので、[大事な儀式]という意識が高まるでしょう。
結納返し
関西式では結納返しをしないのが一般的です。
もし結納返しをするなら結納金の1割の品物やお金を受け取ります。
ただし結納返しは地域や慣習によって関東式でも関西式にでも当てはまらない場合があり、結納金さえ準備しないパターンもあるので、両家でよく話し合いましょう。
結納の流れ
結納の流れは関東式と関西式でほとんど変わらないですが、そもそも結納には正式結納・略式結納があります。
正式結納は仲人を立てて両家を行き来して結納品を納めるスタイルです。時間と手間がかかるので近年では正式結納で実施する方は少ないでしょう。
略式結納は料亭やレストランに両家が集まって結納品を納めます。
仲人を立てる場合と仲人を立てずに両親又は新郎新婦が進行する場合もありますよ。
料亭やホテル、式場では結納プランを用意している所もあるので、結納を検討するなら調べてみましょう。
関連記事として結納の流れを詳しく解説してる記事も執筆してるので、合わせてご覧ください!
結納金の相場
結納金には決まりがありませんが、費用相場はあるのでご紹介します。
地域のしきたりやその家の価値観によって違いが大きいのですが、九州地方や関西地方、東海地方は品目が華やかな上に金額も大きいそうです。
割合は50〜100万円未満が30%・100〜150万円未満が20%・30〜50万円未満が15%・結納金はない割合が15%・30万円未満が13%・150〜200万円未満が5%・200万円以上が2%です。
キリが良い数字、縁起が良い数字で金額を決めるケースがベターです。割り切れない奇数を基準として包む事もありますが、末広がりという意味がある8を使った80万円の偶数でも問題ありません。
平均相場を参考に包むのが良いので彼女(新婦)に「いくら包めば良いの?」と聞くのはやめましょう。
【まとめ】
結納の詳細と関東式・関西式について解説しました。
また結納金の費用相場についてご紹介しましたが、必ずしも相場通りに包まなければいけないというわけではありません。
この記事が参考になれば幸いです。結納は実施しないカップル(新郎新婦)が増えていますが日本の伝統を受け継いで将来子供が生まれた時に思い出を語るのも良いですね。